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GaRiYa Essay

境内のサンちゃんの 爆笑ショット Vol.5(通算Vol.296)〜マイ スウィートライフ ウィズ キャッツ〜

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    アビィが逝きました。枯れるように、ひっそりと逝ってしまいました。
    ほんの2日前、足をふらつかせながらもわざわざ出窓に上って、凛とした姿勢で外を眺めていたものです。

    「こっちが温かいよ!」
    冷えが気になって移
    すんですが、すぐまた
    戻ってしまいます。
    戻ってまた、外を眺めていました。根負けして、そこにも毛布を敷きました。

    「アヴィ…」
    …涙しながら、私はシャッキリ立ち上がります。
    なにしろ納棺から出棺までの実務作業はぜ〜んぶ飼主のお仕事、サボれません。
    悲嘆と同時進行ですから、けっこうな激務です。

    まずは棺の調達です。
    家じゅうを探し周り、アヴィが寝心地良さそうなバッグを見つけました。

    そして花の調達です。
    ハサミを手に、朝露をかき分け、両手いっぱい集めてきました。田園ライフならではの無料特典です。

    納棺して、蝋燭に火を点け、お線香を焚きました。
    そして、弔辞です…。

    「アヴィ…
    出逢った時のアヴィはホームレス猫だったね。
    駅前の通りであんたを見かけて、私すごく急いでいたけど、たまたまバッグにスルメが入ってたからポンッて投げたら、脇目もふらずに食らいついたね。
    よっぽどお腹が空いてたんだね。
    帰り道でまたあんたを見かけたけど、雑踏に紛れて、通り過ぎた。
    ところが振り向いてビックリ仰天、あんたが一所懸命ついて来てたから。
    私のこと、ずっと待ってたんだね。

    でも、ナンデ?って、不思議だった。
    だってあんた、食べるのに夢中で、私の顔、ほとんど見ちゃいなかったでしょ。
    しかも人がゾロゾロ往来してたし。
    そんなシチュエーションで、よく私が識別できたね。

    聞いていい?
    アヴィって、迷い猫だった?
    …迷うわけないか、チョ〜賢いもん。
    じゃ棄てられた?
    …どっちにしてもタイヘンだったね。
    よくサバイバルしたね。

    運よく里親さんが見つかった。
    独り暮らしの、品のいい高齢女性だった。
    五年くらいお世話になったかな…でも入院が決まって…。

    ま、イロイロあったよね。
    でも、アヴィは負けなかった。
    よく頑張った!
    よく乗り越えた!

    アヴィ…アッチにはサンちゃんたちが居るからね、楽しいよ!」

    そして…出棺…合掌。

    …アッチのサンちゃんと言えば、最近こんなことがありました。
    猿田彦神社(藤崎)の境内を出たところで、カメラを向けている人につられて、私もスマホを向けたんです。

    後日、その画像に、声を上げました。
    「サンちゃん!」
    なんと、光と葉と風が織りなす一瞬のオブジェが、まさに、在りし日のサンちゃんです。

    実はこれと同じ写真が、ずっとデスク横に置かれています。プチ家出から四日ぶりに帰宅した朝の、とても懐かしいショットです。

    「どんだけ心配したと思ってるの!」
    「…アニャ…」
    逃げるように梁に駆け上がったサンちゃんがあんまりかわいくて可笑しくて、シャッターを切りました。

    でも、お気に入りの写真なのに、淋しい気持ちにさせられてきました。
    「この頃は、元気いっぱいだったのにナ…」


    ところが、このサンちゃんは爆笑です。
    マンガ顔の竜の手に、宝物のように抱かれています。

    コジツケは大いに認めつつも、そうとばかりは言いきれません。
    なにしろパパのシルクちゃんは自分の遺体とツーショットして、
    「元気だよ!」
    と、死んでからまで健在をアピールするような猫でしたから、そのDNAを受け継ぐサンちゃんなら、これくらいのオチャメはやりかねないのです。

    サンちゃんが逝って、そろそろ二年です。