ガリヤ最新号をネットで今すぐ見る!
バックナンバーを見る
最新号を見る
寄付金・ボランティア
猫エッセイ
わんにゃんよかネット
里親募集

calendar

S M T W T F S
      1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
30      
<< September 2018 >>

categories

archives

GaRiYa Essay

骨壷をギュッ! vol.290

0
    私がパソコンをONにすると、サンちゃんはその横でOFFに…。
    デスクワークとサンちゃんはいつもセットでしたから、こうしてノートパソコンに向かうたび、気持がドボンと凹みます。

    キーボードすれすれに置いたサンちゃんの頭は、やがて、【タブキー】【コントロールキー】【シフトキー】にまで及んで来ましたから、左手をサンちゃんの顔にぶつけながらキーボードを叩き続ける私がいて、ぶつけられながら眠るサンちゃんがいました。

    そのうち私が疲れてくると、今度はサンちゃんが枕です。
    「疲れたよ〜」
    と、ドッカリ被さります。
    柔らかくて温かくて、まさに理想の枕でした。嫌がることなく、眠った(フリ)ままでいてくれました。

    この【キーボード+私+サンちゃん】という三位一体のオシゴト法は、シルクちゃん(サンちゃんのパパ)の時代まで遡ります。
    つまり四半世紀余りを愛猫に寄り添われて、キーボードを叩いてきたわけですから、この喪失感は尋常ではありません。
    「サンちゃ〜ん…」

    しかしまあ、実に沢山の猫たちを見送ってきたものです。
    納骨堂の棚を二つ借りていますが、どっちの棚も骨壺たちで、ギュウギュウ詰めになってしまいました。
    サンちゃんの骨壺をそこに加えようにも、もう入りません。

    そこで私、
    「入らないなら仕方無し」
    と迷わず決心。
    「サンちゃんは自宅で供養します!」
    …と。

    つまり骨壷、持ち帰ってきちゃいました。

    なりゆき、
    「サンちゃんを持ち帰るならシルクちゃん(サンちゃんのパパ〕の骨壷も持ち帰らなきゃ!」
    「シルクちゃんを持ち帰るなら、モズクちゃん(サンちゃんのママ〕の骨壷も持ち帰らなきゃ!」
    「モズクちゃんを持ち帰るならジュニア〔サンちゃんの兄弟)の骨壷も持ち帰らなきゃ!」
    ということで、部屋はなんだか【シルクちゃんファミリー】の骨壺たちで賑やかになっています。

    朝と夜はキャンドルに火を灯し、お線香を炊いてます。
    フードも水も欠かしません。
    抱っこ大好き猫のサンちゃんでしたから、骨壷をギュって、抱きしめたりもしています。
    「あんなにフワフワだったのに、ずいぶん感触、変わっちゃったね…」

    シルクちゃんの血をひく最後の一匹が、私のベッドで眠っています。
    私にはまだ、ドタが居てくれました。

    「ドタ〜」
    「うにゃ〜(は〜い)」
    返事はとてもよろしいんですが、
    「こっち、おいで!」
    と言っても、
    「ニャ〜(いや〜)」
    …パソコンにだけは決して近付きません。

    ここは今も変わらずサンちゃんの寝場所…ドタにはちゃんと、解っているのです。


    (長澤 由起子)

    写真キャプション►不思議現象:シルクちゃんの血を継ぐ最後の一匹、ドタちゃん(♀)です。ドタちゃんは母親似(きれい顔)でサンちゃん(♂)は父親似(癒し顔〕で、まったく印象の違う顔をしているんですが、この顔は不思議にもまさしくサンちゃんです。