GaRiYa Essay

どうしたらいいの?! vol.286

0
    時々ですが、眠っているサンちゃんにジワッと頭を載せて、枕になってもらってます(加減はしてますよ)。
    「癒やされる〜…」
    サンちゃんは豪快にも、
    「…(またかよ)」
    って感じで、ウソ寝を続けます。
    ところがその癒しの中で、やがて悲しくなりました。

    ドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッ…命を刻む音。
    ドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッ………速すぎです(涙)
    私の鼓動の、二倍以上のスピードです。

    のんびりしてるくせに、
    ゆっくりしてるくせに、
    グダグダグダグダしてるくせに、
    命はこんなにも、急いでいたのです。

    サンちゃんの体は今、トラブルを二つ抱えています。
    一つは
    「腎臓の機能が低下しています」
    そしてもう一つが、
    「歯の状態が悪いです」
    さらに
    「もう、十六歳ですからね…」
    …ということは、十六歳という年齢そのものが、大トラブル?

    サンちゃんはこの夏、歯のトラブルで食べることができず、まさに生死の境にありました。
    しかし運良く原因に気づいて薬で散らし、奇跡の復活を遂げることができたのですが、なにしろモトを断たないままですからまたしても症状が現れたというしだいです。

    同じ薬をあらためて処方され、
    「これが…繰り返されるんですか?」
    と、おずおず尋ねましたところ、
    「そうです!そのうち薬が効かなくなります!」
    と、お医者さん。

    「そうなったら、サンちゃん、痛いでしょうね…」
    「そうとう痛いはずですよ」
    「……………」

    私の大切な家族です。
    命ある限り、【生活の質】を護る義務があるのです。
    否!義務なんていう軽薄なもんじゃありません。心底から湧き上がる願いです。
    それで、手術を決めたのです。

    しかし動物の直感とでもいうのでしょうか、待合室でのサンちゃんったら、ブルブルブルブル…。
    「大丈夫だよ、心配しないでいいよ」
    「………………」

    いよいよ術前検診です。

    【体重測定】
    「3850グラム…あの時から一キロは増えてますね。」
    【触診】
    「脈に若干、乱れがありますね…リスク(麻酔)がまた、高くなりましたね」
    【検温】
    肛門にズブッと体温計が突っこまれ、
    「ギャン!」
    「とりあえず、熱は無いようですね…」
    【採血】
    動けないように3人からギュッと押さえつけられて1・5CC抜かれ、
    「血液検査の結果が出るまで、待合所で、もうしばらくお待ちください」

    …と、キャリーバッグに戻されたわけですが、その瞬間、サンちゃんのブルブルがピタッと止まったもんですから、
    「サンちゃん?」
    「にゃ♪」
    「勘違いしてるよ。これからが本番なんだよ。これから麻酔注射して、レントゲン撮って、歯を抜くんだよ。」
    「にゃっ♪」
    「わかってないようだね」
    「にゃっ♪」

    しかし、わかっていたようです(恐るべし、猫の直感)。

    やがて術前検査の結果が発表されました。
    「手術は危険すぎます!できません!」
    腎機能の数値異常が二箇所。そして、
    「もう十六歳ですからね」
    という、件の言葉でした。

    麻酔が機能低下した腎臓をさらに悪くし、そのまま眠りから醒めないこともあるんだとか。

    私はがっくりと肩を落としました。歯の痛みなんか、薬でごまかし続けろというわけです。しかも、いずれは効かなくなるのです。

    …と、いうわけで、
    「どうしたらいいの?誰か教えて〜!」

    (長澤 由起子)

    写真キャプション►手術予定日(ダメだったけど)、待合室でのサンちゃんです。ブルブルブルブル…音が聞こえそうなほど震えています。