ガリヤ最新号をネットで今すぐ見る!
バックナンバーを見る
最新号を見る
寄付金・ボランティア
猫エッセイ
わんにゃんよかネット
里親募集

calendar

S M T W T F S
      1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
30      
<< September 2018 >>

categories

archives

GaRiYa Essay

聖父シローちゃん Vol.17(通算Vol.308)〜マイ スウィートライフ ウィズ キャッツ〜

0

    十二月十二日、朝のことでした。
    目醒めれば猫… というのはいつもの風景ですが、この朝はちょっと様子が違いました。

     

    「サプリ?」
    「…………………ニャ」
    「サプリ!」

     

    黒くて細くてグッショリ濡れたものが、枕の横にコロ〜ン。


    「サプリ、あんた…」
    「………………………ニャ」

     

    要するに、ムー(前号で紹介済。サプリの初恋の野良ちゃん)との愛の結晶です。
    それにしても、
    「まさか、私の枕もとで産む?」
    と、とりあえずビックリ。
    毛布をめくるとコロコロッとさらに2コロの、計3コロです。


    3コロの様子が気になりながらも、まずはサプリのケアからでした。
    私の肩に深くカラダを預けたまま、ひどくグッタリしています。


    どれほどタイヘンな出産だったのでしょう…にもかかわらず私ときたら、そんなタイヘンの真横で爆睡してたなんて!
    「ひとりでよく頑張ったね。
    ごめんね、ごめんね…」


    すると横から、
    「ニャ〜」
    と、シローちゃんです。
    「あらシローちゃん…あんた、もしかして付き添ってくれてたの?」
    「ニャン」
    「よかった〜」
    …と、そんななりゆきから、私のセミWベッドはそのまんま、子育ての場となりました。

     

    ところが、そうして何日かたつと不思議なコトに気がつきました…ベッドが少しも汚れません。

     

    理由はシローちゃんでした。
    仔猫は自力で排便することが難しく、排便の介助が必要なのですが、そんな大変な役目をなんと、シローちゃんが引き受けていたのです。
    三匹のお尻を順繰りにナメ倒しては、ゴックンゴックンしていたのです。


    さらに何日かすると、またまた不思議なコトに気がつきました。
    仔猫たちの体毛の微妙なモフモフ感、そして気品ある顔つきは、気のせいかムーより、シローちゃんに似ています。

     

    「まさかシローちゃん、あなたがパパ?」
    「ニャン!」
    「でもあなた、まだ子供でしょ?」
    シロー少年に、突然降って湧いたパパ疑惑でした。


    となれば、ママのサプリはフタマタ疑惑です。
    「あんた、ムーと付き合ってたでしょ?」
    「…ニャ」
    しかも相手は未成年(こっちのほうが問題だったりして)。

     

    しかし、そんな疑惑などものともせず、慣れない子育てに、真っ向から取り組むふたりだったのです。


    サプリが立てば、サッとシローちゃんが交代します。そしてお乳を含ませます(出るもんかい)。
    聖母マリアならぬ聖父シローちゃん…崇高なまでのけなげさに、ウルッときます。

     

    仔猫たちはやがて目が開いて、ヨチヨチヨチヨチ歩きはじめました。
    そして、ぶつかったり転んだり落っこちたりしながら、冒険心と好奇心をいっぱいにして、それぞれの世界を広げています。

     

    でも、夜にはまた爐劼箸たまり〞になるのです。
    そんな爐劼箸たまり〞の横で(窮屈ですけど)、至福の眠りにつく私です。