ガリヤ最新号をネットで今すぐ見る!
バックナンバーを見る
最新号を見る
寄付金・ボランティア
猫エッセイ
わんにゃんよかネット
里親募集

calendar

S M T W T F S
      1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
30      
<< September 2018 >>

categories

archives

GaRiYa Essay

がんばったんだね…片目のムー Vol.20(通算Vol.311)〜マイ スウィートライフ ウィズ キャッツ〜

0

    「この頃、ムーが来ないね…彼女でもできたんだろうか?」
    「…にゃ」
    「だったらいいんだけど…」
    一抹の不安がよぎりました。
    ムーというのは、サプリ(不妊済)がつきあっている野良ちゃんです。
    庭の銀杏にかけ登って、枝先からバルコニーにヒラリ飛び移り、
    「ア〜」
    …と、サプリを誘います。
    ついでにゴハンを食べて、ひと休みして、消える、というパターンですが、いったいどこに帰るのやら。
    愛想なんぞカケラも無く、威圧オーラ、バンバン発しまくりなので、野良ちゃんとしては不利な性分なんですが…。
    そんなムーが顔を出したのは、姿を見なくなって十日も経った頃の深夜でした。
    その日は雨で、おまけにひどい落雷…
    ピカッ!……ドッカ〜ン!
    ピカッ……ドッカ〜ン!
    ピカッ…ドッカ〜ン!
    ピカッドッカーン!
    夜になると、サプリが妙に外を気にしています。
    「ニャ〜(出して!)」
    「だめ」
    「ニャ〜(出して!)」
    私はすぐ譲歩します。
    「すぐ戻るのよ」
    と、送り出しました。

    しばらくして玄関ドアを開けると、サプリが待ち構えていました。そしてサッと、闇の中に走り、そして、
    「にゃ……」


    誰かを連れてきました…ムーです。
    「久しぶりだね!待ってて!直ぐゴハン持って来るから!」
    そして玄関前で待つムーの前に、
    「いっぱい食べなさい!」
    と、カリカリを置いたのですが、口をつけません。
    そこで次は猫缶です。
    「さあ食べなさい!」
    ところが、これにも口をつけません。
    「あれっ、おなかいっぱいなの?」
    「…………にゃ……」
    ムーらしからぬ、弱々しい声です。
    「ムー、どうしたの?」
    と、その時でした。
    「ギャアッ!」
    玄関の小さな灯りが、ムーの、変わり果て
    たシルエットを捉えたのです。
    夜明けを待って病院に駆け込むと、即入院です。衰弱があまりにも酷く、重度の脱水ということで、なんと、治療不能というところまできていたのです。
    点滴を続けて三日後。やっと手術が可能になりました。
    そしてムーは、右眼球を失いました。
    「もう野良は無理でしょう、ハンディがあるから、」
    というのがT先生の見解ですが、
    「アンタ、モトがコワモテ(強面)じゃん、ハクがついたっていうか」
    「にゃっ!」

    と、前向き(?)です。
    しかし、
    「あと一日遅かったら死んでましたよ」
    と、T先生…。
    猛暑の中、豪雨の中、雷雨の中…ムーはそんなギリギリまで、いったいひとりで、どんだけがんばっていたんでしょう。
    どんだけ痛くて苦しくて心細かったでしょう。それでもムーは癒える日を信じて、こらえていたのです。
    たぶん様々なことでこらえてきたから、こらえるのが得意だったのでしょう。
    でも今回は勝手が違いました。こらえてもこらえても、ちっともラクならない…。
    それでムーは最後のチカラを振り絞って、ヨイショッと、立ち上がりました。生きるためのヨイショッです。
    そして、落雷の中を歩き出しました。ズブ濡れになってもヨロヨロヨロヨロ…歩き続けました。
    ほんとうにほんとうに、がんばりました。
    退院してきたムーは今、我が家でのんびり療養中というわけですが、
    「そろそろ観念して家族にならん?」
    「………」
    さてさて、どうなりますことやら。


    三匹の仔猫たち Vol.19(通算Vol.310)〜マイ スウィートライフ ウィズ キャッツ〜

    0

      そろそろお盆だから…というわけでもないんですが、先日柴田久美子さんにお会いして、彼女のライフワークである犂納茲〞について、たっぷりお話をうかがうことができました(8P・9Pをぜひお読みください)。


      柴田さんのお話の中で特に興味深かったのは、牋簑里ら抜け出た魂が乳白色の光のような形状をしている〞というくだりです。
      普通なら、
      「見たことないし…」
      とか、
      「へ〜…」
      なのですが、私は1万%理解しました。
      「どうしてそんなに解るんですか?」
      と不思議がられるほどですが、答は簡単です。
      「そういうのは、とっくに猫たちが教えてくれましたから」

       

      時は二十年ほど遡ります。
      1997年12月24日、天気は大雪。
      この日シルクちゃんは、私の腕の中で息をひき取りました。


      今にして思えば、まさに猜いて逝かせる〞という理想的犂納茲〞の実践でしたが、当時の私はそんなの、知ったこっちゃありません。
      抱いて逝かせた後も、抱きっぱなしです。

       

      そこに、見かねた母が割り込んできました。
      「はよ、火葬しちゃらないかんやろが」
      あんまり言うので、受入れました。

      シルクちゃんを抱いたまま、観葉植物をかき集めました。そして祭壇を作りました。
      ひいらぎの赤い葉が、花の役目をしてくれました。

       

      毛布を敷いてシルクちゃんを横たえるとまた、声をあげて泣きました。
      そしてカメラを手にし、シャッターを切り始めました。
      見る影もなく痩せ衰えたシルクちゃんでしたが、灰になってしまうことへの、せいいっぱいの抵抗でした。

       

      年が新たまっても、涙は止まりませんでした。職場であれ通勤列車の中であれ、おかまいなしでした。


      そんな或る日のことでした。
      涙でボ〜っと霞んだ目が一点に釘付けになったのです。遺体の写真が出来上がって来ましたので、ナニゲにそれを眺めていた時のことでした。
      「シルクちゃん!」
      なんと、シルクちゃんがやわらかな乳白色の光になって、自分の遺体とツーショットしてるじゃないですか!


      狠θ〞という形容がピタリで、むしろ新しい命を感じさせます。しかも、
      「もう苦しくないよ。ホラ、こんなに元気になったよ。だからもう泣かないで」
      …と、そんな思いがビンビン伝ってきたものですから、
      「ワカッタ!」
      やっと、涙が止まりました。


      柴田さんの話に戻りますが、犂納茲〞ことは猖賃腓淵┘優襯ーのバトンを渡される〞こと。

      …とすれば、たくさんの猫たちを看取ってきた私は、どんだけ膨大なエネルギーを受け取って来たんだろうと。


      たぶんそうなんでしょ、ヘコタレませんもん(笑)


      三匹の仔猫たち Vol.18(通算Vol.309)〜マイ スウィートライフ ウィズ キャッツ〜

      0

        仔猫の成長って、早いですね。
        「かわい〜」
        と目を細めるだけだった私が、最近では
        「暴れなさんな!」
        「走りなさんな!」
        「早く寝なさ〜い!」
        なんて、怒鳴ったりしてるんですから。
        もちろん、笑ったり感心したり共感したりビックリしたり、時には尊敬したりもしています。


        さて、これは【感心したり】の一例です
        なんと、ゴミにまで命を吹き込みます!
        たとえばテーブルから、レシートを落としたとします、パラリ…
        するとたちどころにその小さな紙切れが、サッカーボールに大変身!
        キック&ラン、キック&ラン…
        なんと、レシートだった紙切れが、仔猫たちのプレイに加わって、もの凄い勢いでとんだりはねたりころがったり!
        そのうち仔猫たちがくたびれると、ボールのほうもくたびれて、もとの紙切れに戻ります。
        次は【笑ったり】の一例です。
        段ボール箱・紙袋・ショッピング袋の共通点と言えば穴ですが、穴と見るや仔猫たちは、しつこいくらいダイブを繰り返します。
        そのうち
        「ニャ〜ニャ〜ニャ〜」
        と、助けを呼ぶ声がして、
        「どうしたの?」
        …見るとビニール袋にグルグルに巻きつかれた仔猫ちゃん。
        持ち手(手さげ部分)のヒモ輪にまで頭を突っ込んだ結果です。
        そして【共感したり】の一例です。
        椅子・テーブル・棚・箪笥・カーテンの共通点と言えば犢發〞ですね。
        そんな犢發〞に囲まれて暮らす仔猫たちは、さながらアルプス登頂に命を賭ける登山家です。
        爪をピッケルにして、そりゃもう一生懸命になって、ひと山ひと山、制覇します。
        ちなみに最初の山は、私でした(涙)
        爪が刺さって痛かったです。それでも一生懸命よじ登って来るものですから、
        「イタ〜ッ…謝謝…ガンバッテ…」
        「イタタ〜ッ…ダンケ…ガンバッテ…」
        「イタタタ〜ッ…メルシー…ガンバッテ…」
        一生懸命な姿に打たれて、ママ猫サプリと応援したものです。


        さて、そんな仔猫たちが居ることで、ゴミの量が2倍ほどに増えて、ゴミの日の夜は、重労働の夜となりました。
        「ヨッコラショォ〜、サプリ行くよ!」
        「にゃ〜!」
        同伴は、ママ猫サプリの仕事です。
        夜道ですから、ついて来てくれるだけでも有り難いのです。ところが、
        「あんたは身軽でいいよね〜」
        「ニャ」
        「私だけ重いのはどうして?」
        「ニャ」
        「不公平じゃない?」
        「ニャ」

        …そこで、帰宅するや
        「ドアを開けて〜」
        と、せがみます。
        「疲れてチカラが出ないよ〜」
        と、甘えます。
        加えてヨロヨロッとヨロけたりも。
        そこでサプリは心を決めます。
        ドアのレバーハンドルを睨みながら、床を蹴ってジャンプします。
        一回目のジャンプ…開きません。
        二回目のジャンプ…開きません。
        「…ニャ…」
        つらそうに私の顔をうかがいますが、
        「ガンバッテ!」
        すがるように励ましてまた、ヨロけます。
        騙されているとも知らず、ジャンプを続けるサプリです。
        三回目…四回目…五回目…六回目…
        このあたりでようやく、ギ〜とドアが開いて、
        「ミャ〜ミャ〜ミャ〜」
        仔猫たちが駆け寄ります。
        母猫も仔猫も、も〜、…超かわいすぎ!


        聖父シローちゃん Vol.17(通算Vol.308)〜マイ スウィートライフ ウィズ キャッツ〜

        0

          十二月十二日、朝のことでした。
          目醒めれば猫… というのはいつもの風景ですが、この朝はちょっと様子が違いました。

           

          「サプリ?」
          「…………………ニャ」
          「サプリ!」

           

          黒くて細くてグッショリ濡れたものが、枕の横にコロ〜ン。


          「サプリ、あんた…」
          「………………………ニャ」

           

          要するに、ムー(前号で紹介済。サプリの初恋の野良ちゃん)との愛の結晶です。
          それにしても、
          「まさか、私の枕もとで産む?」
          と、とりあえずビックリ。
          毛布をめくるとコロコロッとさらに2コロの、計3コロです。


          3コロの様子が気になりながらも、まずはサプリのケアからでした。
          私の肩に深くカラダを預けたまま、ひどくグッタリしています。


          どれほどタイヘンな出産だったのでしょう…にもかかわらず私ときたら、そんなタイヘンの真横で爆睡してたなんて!
          「ひとりでよく頑張ったね。
          ごめんね、ごめんね…」


          すると横から、
          「ニャ〜」
          と、シローちゃんです。
          「あらシローちゃん…あんた、もしかして付き添ってくれてたの?」
          「ニャン」
          「よかった〜」
          …と、そんななりゆきから、私のセミWベッドはそのまんま、子育ての場となりました。

           

          ところが、そうして何日かたつと不思議なコトに気がつきました…ベッドが少しも汚れません。

           

          理由はシローちゃんでした。
          仔猫は自力で排便することが難しく、排便の介助が必要なのですが、そんな大変な役目をなんと、シローちゃんが引き受けていたのです。
          三匹のお尻を順繰りにナメ倒しては、ゴックンゴックンしていたのです。


          さらに何日かすると、またまた不思議なコトに気がつきました。
          仔猫たちの体毛の微妙なモフモフ感、そして気品ある顔つきは、気のせいかムーより、シローちゃんに似ています。

           

          「まさかシローちゃん、あなたがパパ?」
          「ニャン!」
          「でもあなた、まだ子供でしょ?」
          シロー少年に、突然降って湧いたパパ疑惑でした。


          となれば、ママのサプリはフタマタ疑惑です。
          「あんた、ムーと付き合ってたでしょ?」
          「…ニャ」
          しかも相手は未成年(こっちのほうが問題だったりして)。

           

          しかし、そんな疑惑などものともせず、慣れない子育てに、真っ向から取り組むふたりだったのです。


          サプリが立てば、サッとシローちゃんが交代します。そしてお乳を含ませます(出るもんかい)。
          聖母マリアならぬ聖父シローちゃん…崇高なまでのけなげさに、ウルッときます。

           

          仔猫たちはやがて目が開いて、ヨチヨチヨチヨチ歩きはじめました。
          そして、ぶつかったり転んだり落っこちたりしながら、冒険心と好奇心をいっぱいにして、それぞれの世界を広げています。

           

          でも、夜にはまた爐劼箸たまり〞になるのです。
          そんな爐劼箸たまり〞の横で(窮屈ですけど)、至福の眠りにつく私です。


          恋(声)の奇跡 Vol.16(通算Vol.307)〜マイ スウィートライフ ウィズ キャッツ〜

          0

            庭の銀杏の樹をタタタッとかけ登ると、ボコボコでユラユラの枝先から二階のバルコニーに向けて、ヒラ〜ッとジャンプ。
            「あらムーちゃん久しぶり。ごはんすぐ用意するから、ちょっと待ってて!」

            彼の名前はムー(夢)。
            ときどきこうして、命がけでごはんを食べに来る野良ちゃんです。

            「美味しかった?」
            「………………………」
            「元気だった?」
            「………………………」
            それにしても、こうしてゴハンをもらっているのにカケラ程の愛想もなく、寡黙で不遜な顔つきが、タダモノじゃないオーラを放ちます。

            ところが、ある晩のことでした。
            久しぶりに訪れたバルコニーではオトナになりかけた子猫たちが、組んずほぐれつのお祭り騒ぎです。
            そんな様子に気圧されてか、オジサン猫のムーはたじろいで、コソッと去ろうとしていました。

            ところが人生(猫生)、何が起こるかわかりません。
            そんなムーをトコトコ追いかけてスリスリスリスリ…とスリ寄ったのは、紅一点のサプリです。

            以前お話しましたようにサプリには、生まれつき声がありません。
            でも、話すことができない代わりに、ボディランゲージは得意なのです。

            それにしても、サプリの行為は大胆でした。小さな女のこが、自分の三倍もありそうなオジサン猫を、まさに体当たりで引き止めたのですから。

            私もビックリでしたが、もっとビックリはムーだったと思います。よけてもよけてもスリスリスリスリ…。

            よく見ると、サプリの目が♥です。
            「まさか…サプリ?」
            「…………………」
            そう、サプリの初恋…一目惚れだったのです。

            周囲の男のこたちも、ア然でした。
            皆んなそれなりにカッコいいし、もちろんサプリのことが大好きです。
            「そろそろ手術しなくちゃね…」
            と思い始めた矢先の出来事でした。

            それからというもの、
            「あっムーちゃん、今日も来てるんだ」
            「………………………………」
            もうほとんど、入リビタリ。

            やがて衆目の見守る中、恋愛成就とあいなったわけですが…その瞬間、
            「ギャン!」

            ものすごい悲鳴があがったのと同時に、なんと、巨漢ムーが一メートルほども弾き飛ばされておりました。
            そしてサプリは、プリップリに怒りながら、部屋に戻ってしまいました。

            私がホッとしたのは言うまでもありません。ところがドッコイ…。

            それからも、ムーは連チャンでやって来るし、プリップリに怒っていたはずのサプリの目は、あい変わらず♥ですし…
            にもかかわらず、
            「ギャン!」

            の悲鳴で、弾き飛ばします。

            そうしてムーの巨体をギャンギャンギャンギャン弾き飛ばしていくうちに、とっても目出たいことが起こりました。
            なんと、サプリに狎辞瓩生まれたのです。
            「声、出てるじゃん!」
            「ニャン!」
            こんな奇跡ってあるのでしょうか?

            ギャンギャンギャンギャン凄まじい悲鳴をあげ続けたことで、眠っていた声帯が刺激されて、動き始めたというわけでしょうか。いわゆる、ヴォイストレーニングっていうやつですね。

            先日、久しぶりにサプリを見た姪が、ビックリしてこう言いました。
            「あれえ〜サプリ声が出てるじゃん!どうして?どうして?ねっどうして?どうして?どうして?」
            「…ま、いろいろ…あってね…」

            とにかく、おかげでサプリは今、心の通い合う、とても楽しい話し相手です。


            家 族 が 増 え た こんないきさつ Vol.15(通算Vol.306)〜マイ スウィートライフ ウィズ キャッツ〜

            0

              近隣で子猫たちがチョロチョロし始めたのは、昨年の夏のことでした。
              ママ猫のシツケが行き届いてか、ヒトへの警戒心はバッチリです。
              「おいで〜」
              と手招きした途端サッと姿を隠す、そしてまた現れるの繰り返しで、
              「この頃、見かけないな…」
              と案じていたら、
              「ぎゃっ!」
              庭の片隅で一匹の子猫が、力尽きていたのです…餓死でした。
              「あとの二匹はどうしてるんだろう…」
              玄関先に猫フードを常備するようになったのには、そんな悲しいイキサツがあったのです。
              手作りの猫小屋を設置して、古いセーターを敷き詰めました。
              二匹はそこで、身を寄せ合うようになりました。
              それでも私が手をのばすと、身に付いた習性か、慌てて姿を隠すのでした。


              ひと月ほど経つと、二匹が三匹になっていました。
              びっくりしたのは新顔クンの痩せっぷりです。
              「よく頑張って、辿り着いたね…」
              「…ニャ…」
              餓死寸前。危ないところだったのです。
              さらに半月ほど経つと、三匹が四匹になっていました。これまた激痩せのボロボロです。
              こんな幼いこどもたちが、いったい、どれだけのタイヘンを乗り越えてきたんだろう…(涙)
              「よく頑張ったね、よく辿り着いたね…」
              「にゃ…」
              我が家の玄関先は、さながら子猫たちの難民キャンプのようでした。
              やがて子猫たちから、警戒心が消えていきました。
              「ただいま〜」
              と帰宅するや猫小屋から。
              「アニャ〜!」
              と一斉に飛び出し、勢揃いして迎えてくれるようになりました。
              ゴハンをくれる人だから、

              ﹁アニャ〜︵ゴハン帰って来た!︶﹂
              ってとこでしょうけど…実は、それだけではなかったのです。
              話はここでゴミに飛びます。
              地域指定のゴミ収集所は、家から数十メートルの所に存在します。
              人通りも街灯も無い、ほぼマックラな旧アゼ道です。

              私はその旧アゼ道を、大きなゴミ袋をぶら下げて週に二回は往復しています。
              ハッキリ言って、苦行です。
              ところがある夜のことでした。ゴミ袋を下げて門扉を出た私を、
              「ニャッ︵それ行け〜っ!︶」
              っと、四匹揃って追いかけてきたのです。
              時に小走りに、時にジャレあいモツレ合いながら、ものすごく楽しそうにくっついてきたのです。
              ゴミ収集所の先はイキナリ交通量の激しい大通りですから、猫たちがそのまま飛び出しやしないかと心配でしたが、不思議にもそれはありません。
              私がゴミを置くと一斉に方向転換し、そしてまた小走りに、時にジャレあい、モツレあいながら、暗がりの先にある我が家へと、さも楽しそうに歩くのです。
              つられて私も、楽しくなりました。
              星空の下、一人と四匹の行進はかなりメルヘンです。
              門扉を閉めると、暗がりの中で点呼です。
              「一匹…(にゃ!)二匹…(ニャ)三匹…(ニャッ)四匹…(みゃ!)」
              キッチリ揃ってるじゃないですか。
              思えば私はずっと、こんなメルヘンの中で暮らしてきたような気がします。
              そして冬が訪れました。
              ゴミ捨てツアーから帰宅するや、

              「遠慮しないで、どうぞ、入って!」
              玄関ドアをパアッと、開け放ちました。
              すると、互いに顔を見合わせたりしながら、ゾロゾロゾロゾロ…。
              保護完了、いよいよ里親探しです。
              そうして年が明けた一月一日。シルクちゃんが夢枕に立って、こう言いました。
              「その子たち、僕の子だからね」
              つまり、皆〜んなうちのこだと(笑)
              メルヘン・スピリチュアル・リアルライフ…
              猫たちってほんと、オモシロスギ。


              サプリの声は  風の音 Vol.14(通算Vol.305)〜マイ スウィートライフ ウィズ キャッツ〜

              0

                サプリは、男の子たちばかりの我が家における紅一点です。
                きょうだいより私とツルみたがります。
                たぶん、同性のよしみでしょう。

                デスクワークの時はヒザに乗ってきます。
                けっこう重いんですよ。
                ガマンできなくなります。

                「どいて」
                「………」
                「降りて」
                「………」


                「降りないなら降ろす!」
                「………」

                それで、
                「ヨッコラショイッ」
                と抱き上げて、ポ〜ンと放り投げるんですけど、スグ戻って来るんです。
                猫ブーメランです。

                立ち上がると、これまたピタリくっついてきます。行き先がトイレでもくっついてきます。
                なにがそんなにうれしいのか、弾けるようにくっついてきます。

                狙いは、そこでもヒザ乗りです。
                「ムリ!」
                「………」
                「ダメ〜ッ!」
                「………」
                かなりシビヤな攻防戦ですが、水音の爛献磧辞瓩妊ルッと向きを変えてドアへと突進…一歩先を読んでます。

                さて、そんなある日のことでした。
                「ナニこの臭い?」
                発臭元はなんとシャワールーム。
                排水口を見ると茶塊がボトッ…猫ウンコでした。

                「クサイ、キタナイ、バカ猫…」
                ブツブツ言いながら洗浄を終えたところで目がテンになりました。
                あらんことか、待ってましたとばかりに排水口に歩み寄るや悪びれることもなく腰を落として、ジョ〜。

                「サプリ!」
                「…………」
                「ダメでしょ!」
                「…………」
                「バカ猫サプリ!」
                「…………」

                なおも呆れたことにサプリの爛献〜瓩蓮▲轡礇錙璽襦璽爐砲箸匹泙蕕此部屋の
                〈手洗い鉢(写真上)〉にまで及ぶようになったのです。

                それで、やっと気がつきました。サプリは私とツルみながら学んでいたのです。
                砂の中に埋めるより水で流したほうがスッキリするという、当たり前の事実を学習したのです。
                そしてなんと、応用したのです!
                …バカ猫は撤回です。

                サプリはもちろん、バスルームにもくっついて来ます。
                たださすがにお湯は苦手のようで、タブのヘリをグルグルしながら、猫タッチと頭突きを繰り返します。

                「落ちるよ〜」
                「…」
                「気をつけなさ〜い」
                「……」
                ちょっとハラハラです。

                そんなある日のこと、ついにボッチャ〜ン。
                「ヒューン!」
                「ほ〜ら、言わんこっちゃないでしょ!」
                「ヒュ〜ン!ヒュ〜ン!ヒュ〜ン!」

                …サプリには声がありません。でもボッチャ〜ンのショック以来、風が吹くようになりました。

                たとえば、仕事を終えて帰宅して見上げた我が家から、
                「ヒュー」
                かすかな風音が聞こえます。バルコニーからサプリが身を乗り出して、、
                「ヒュー〜ヒュー〜ヒュー〜」
                「ただいま〜」
                「ヒュー…ヒュー…ヒュー…ヒュー」

                こんな光景を誰かが見たら、夜空にヒトリゴト言ってるアブナイヒト?

                ところで名前には、つけた人の願いが織り込まれたりするものですが、
                「私に足りないものを、シッカリ補ってくれる猫にな〜れ!」
                …というわけで、効果効能がとっても楽しみなサプリなのです。


                三郎ちゃんも こんなにガンバッて 生きています Vol.13(通算Vol.304)〜マイ スウィートライフ ウィズ キャッツ〜

                0

                  玄関先でガリガリに痩せ細った三郎ちゃんを見つけたのは、プチ家出から八日も過ぎた日の夕刻でした。
                  門扉をあけた瞬間、聞き覚えのある声が、
                  「ニャ〜」
                  「…三郎ちゃん?」
                  「ニャ〜」
                  「三郎ちゃん!」
                  「ニャ〜」
                  「戻って来たね!」
                  「ニャ」
                  「心配したよ〜!」
                  プチ家出と言えば思い出すのはサンちゃん(故)です。
                  実によく家出してくれたものでした。
                  私はそのたびに大騒ぎしたものですが、四〜五日もするとシラ〜ッと帰宅して爆食、爆睡。
                  それで、楽観していたのです。
                  「四〜五日もしたら帰ってくるわよ」
                  と ところが、帰らなかったのです。
                  六日を過ぎると、アキラメに近い思いがよぎり始めました。


                  なにしろちょっと前までは野良ちゃんだったわけですから、アウトドアライフには精通しています。
                  おまけに野良ちゃん時代の習性が抜けなくてヒト…つまり私はまだ、警戒される傾向にあったのです。
                  なので、「ニャ〜(野良がいい〜)」という気分になったとしても、ぜんぜん不思議はなかったのです。
                  それに加えて巷は春。ポカポカ陽気ときています。
                  三郎ちゃんの帰宅はそんなアキラメの中でかっ飛ばした、逆転ホームランのごとき快挙だったのです。
                  しかし、三郎ちゃんが見せた衰弱ぶりは、八日という日々の過酷さを物語って余りあるものでした。
                  サンちゃんの時のような爆食もなく、ヨロヨロッとヨロけながら…ベッドイン。
                  そこでやさしく、

                  「疲れたろ〜ゆっくりおやすみ〜」
                  と、背中に手を置いたその時でした。
                  ﹁ウワア〜ッ!﹂
                  シッポの陰から顔を出したのは、ザックリ切り込まれた悲惨なお尻です。まさか、ヨロヨロの理由がコレだったとは!
                  夜明けを待って病院にかつぎ込むと、

                  ﹁ウワア〜ッ!﹂
                  「……(医者ともあろうが、同んなじリアクションするかい…不安増大)……」
                  傷は古く、化膿はタマタマまで侵攻とのこと。
                  「ついでに去勢手術もやっときましょう」
                  …で、やや気を取り直し、
                  「明日の夜に迎えに来てください」
                  「明日だと、深夜になりますけど… 」
                  「では、今夜来てください」
                  「はいっ!」
                  で、とりあえず安心したような次第です。
                  それにつけても、三郎ちゃんはほんとうによく、ガンバリました。これほど酷い傷を負いながら、たったヒトリで乗り越えてきたのです。どれほど痛くて、どれほど不安だったことでしょう。
                  しかも飲まず食わずで体力消耗しまくりですから、そのまんまぶっ倒れてしまったほうがラクだったのです。
                  それでもヨッコラショッと立ち上がって、一歩…また一歩…と歩いたのです。
                  おうちに向かって歩いたのです。
                  苦とか痛とか難とか悲とか窮とか困とか憂とか淋とか哀とか患とかいった、ありとあらゆる負のお荷物を、小さなカラダに背負ったまんま、おうちに向かって歩いたのです。
                  トドメは退院の夜でした。
                  先生から渡された三郎ちゃんを、
                  「よかったね〜」
                  と抱き上げたその、直後でした。
                  ジョ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
                  〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜…
                  診察台が大洪水です。
                  「あんたねえ、なんでこんなもんまでガマンするの?」
                  よくぞ膀胱破裂を起こさなかったもんだと、危ぶまれるほどの量だったのです。
                  あきれたことに必死の頑張りがまだ続いていたのです。
                  それが私に抱かれて初めてゆるんだのでしょう。
                  …てことは三郎ちゃん、いつの間にかちゃんと家族になってくれてたようで。


                  シルクちゃんの 子供たち?! Vol.12(通算Vol.303)〜マイ スウィートライフ ウィズ キャッツ〜

                  0

                    ちょっと時期はずれな気もいたしますが、元旦の朝のお話です。

                    年越しの夜ふかしでボ〜ッとした目に、初めに飛び込んだのはサプリちゃん(♀)でした。
                    さすがお正月ですね、私の胸を座布団にして、キチンと正座しています(苦し…)。
                    それを、枕元の携帯でパチッ(写真左下)。

                    続いて目に入ったのが一郎ちゃん(♂)二郎ちゃん(♂)三郎ちゃん(♂)です。

                    こちらも私のモモ肉あたりで、優雅にオダンゴになっています。

                    イケメンぶりにホレボレしつつ、集合写真をパチッ(写真右下)。

                    あ…紹介が遅れました。昨年末よりナリユキ、私の家族になった猫たちです。
                    (よろしくお願い申し上げます)
                    しかし皆さん、まだ子猫。


                    ひょっとしてひょっとすると、これから二十年くらい生きてくださいます。

                    「私が先に天国に召されて…発見された時、痩せ細った猫たちが寄り添っていた…なんてコトになんなきゃいいけど…」
                    内心、こんな不安があったのです。

                    ところがです。
                    「その子たち、ボクの子だからねっ」
                    と、シルクちゃんが言いました。

                    もちろん夢の中で、ですよ。
                    それもバリバリ元旦の初夢です。

                    正直な話、シルクちゃんが夢に出てくるなんて牋譽侫呼鵐織三ナスビ瓩覆鵑遥か凌ぐ目出たさです。
                    ところが私ときたら、理屈の通らないコトはトコトン追求する性分です。

                    「え〜シルクちゃんの子だったの?」
                    「うんっ!」
                    「ソレおかしい!毛、白くないじゃん!」
                    「白くなくてもボクの子なの!」
                    「エ〜ッ?」
                    そして冒頭のごとく、ボ〜ッ…と目醒めたというわけですが、
                    「ひょっとしてコレって…夢枕ってやつ?」

                    【夢枕】つまり、大事なメッセージを伝えるために身近な故人などが夢に出てきて語るという、いわゆるアッチの世界における公的通信手段。

                    「でもねえ…とっくに死んでるヤツがよく言うよ」
                    とか思いながら、いちおうコッチも、
                    「毛、白くないじゃん!」
                    と言い返した手前、興味が猝喊Л瓩縫轡侫箸靴討靴泙辰…
                    【猫の毛色】で検索の結果 、次のような説に行き当たりました。

                    【猫の毛色には白・黒・茶の三色があるが、オス猫の毛が三色を持つことは、無い!】

                    【毛色を決定する染色体にはXとYがあり、メス猫はXXだから三色持つことは可能だが、オス猫はXYだからオスの三毛猫は生まれない!】…トカナントカ…。

                    そこでベッド(まだモモ肉上)の三匹に目を移しましたところ、
                    【一郎ちゃん】黒白のキジ猫と見せかけながら、鼻先が茶色…いちおうオス三毛猫。
                    【二郎ちゃん】黒茶のキジ猫と見せかけながらハート型の白毛をヘソ下に隠し持っていた!…いちおうオス三毛猫。
                    【三郎ちゃん】白地に茶黒キジと見せかけながら…いちおうオス三毛猫。
                    なんと、三匹そろって、黒・茶・白の三色を曲がりなりにも持ってるじゃないですか!

                    さらに検索を進めましたところ、
                    【三色の毛色を持つオス猫の誕生率は非常に低く、三万匹に一匹ほど】

                    さらに検索を進めましたところ、
                    【三毛猫は幸運の猫と言われている。中でもオスの三毛猫はその希少性により断トツの幸運猫とされている】
                    その一例として、
                    【オスの三毛猫を船に乗せると危険を伴う海でも安全な航海にしてくれる。そのため船乗りさんたちの間でとても重宝がられてきた】…とのエピソードも…。

                    これで謎が解けました。
                    「あんたが言いたかったのは『心配するな』ってことでしょ?『なんとかなる』ってことでしょ?『このこたちと安心して暮らしていきなさい』ってことでしょ?それが言いたかったんでしょ?(ウルウルウル…)」

                    それにしてもこのこたちのヤンチャ&ヘン猫ぶりときたら、実に、尋常ならぬものがありすぎます。
                    この猫エッセイも三百回を超えましたが、おかげをもちまして、ネタ切れの狄看朖瓩世韻蓮∪簑弌△覆気修Δ任后


                    ちびちゃんの帰省 Vol.11(通算Vol.302)〜マイ スウィートライフ ウィズ キャッツ〜

                    0

                      「住宅事情が整うまでお願い!」「仕方ないわねえ」

                       

                      …と、そんないきさつで昨年四月、高齢猫(二十二歳)のちびちゃんが転がり込んできたわけですが、まあ…ハッキリ言って、たいへんな猫でした。

                       

                      たとえば、私がデスクにつくなりヒザに飛び乗って来るのですが、重いだけではありません。

                      「キーボードが、見えな〜〜い!」


                      しかしヒト年齢にして優に百歳を超えるご長寿さまです。ジッと我慢の私でした。


                      「そろそろ降りて」

                      「アギャ(イヤッ)」

                      …降りません…

                      どころか、脚を組んで凸凹ヒザにしても、落っこちません。必死にシガミ付いてくるんです。爛モチイイ場所大好き〞な猫の本質からはあまりにもズレた甘えっぷりでした。


                      「性格、変わったとやろか…」

                      そんな私からの爛瓠璽詁報〞に首をひねるママでした。と申しますのも、本来の性格はなんとチョ〜無愛想なヒトミシリさん。

                      ママ以外のヒトが近づこうもんなら姿を隠してしまうような猫だったのです。


                      「さすが長澤さん!」

                      と絶賛されながらも腑に落ちません。

                      ママの手のひらでミルクで命をつないだちびちゃんです。以来二十二年もの歳月を、寄り添って暮らしてきた家族なのです。


                      そんなちびちゃんがママを離れたら、どういう気持になるでしょう。


                      「コレってもしや、心理学で言うところの狢綵行為〞ってやつ?」

                      つまり、

                      「ママに甘えたい、私を離さないで!」

                      という強い欲求が、曲がり曲がって私に向いた…

                      「ナルホド〜!」

                      というわけで、

                      「ちびちゃん、ガンバろう!」

                      「アギャア〜」

                       

                      季節は移り、十二月になりました。
                      「今月はきっと、帰れるよ」
                      「アギャア〜!」
                      「も〜い〜くつ寝たら、帰れるよ〜♫」
                      「アギャア〜!」
                      この頃のちびちゃんはどうしたことか、
                      「ホントに二十二歳?」
                      と思うほどの若返りようだったのです。


                      そして十二月中旬、待ちに待った爐迎え〞の報せです。
                      ところがどっこい。
                      「長澤さんに、これ以上迷惑かけられんけん、大分の実家に頼んでみたとよ。そしたらチビちゃん、預かってくれるって。弟の嫁さんが、もの凄い動物好きやけん、安心して預けられるとよ」
                      …しばし絶句。そして怒った。
                      「ちびちゃんは、ママのところに帰るのを楽しみにしてたのよ!また別の所に預けるつもり?どれだけちびちゃんが傷つくか、わかってるの?」
                      「…どうしようもないと…二十三日にちびちゃんを迎えに行きます!」
                      いくら反対しようにも、もう、車の手配から何から何まで、全ての段取りが整っていたのです。

                       

                      「大分…行きたくないね」
                      「アギャア〜」
                      「ママの所に帰りたいね…」
                      「アギャア〜」

                       

                      そして、大分行きを目前にした夜でした。
                      「ママの準備が整うまでずっと私と暮らそうか?」
                      「アギャア〜」
                      「じゃこれからママに、そうメールするよ」
                      「…アギャ」

                       

                      ところがまさに、その直後でした。あらんことかちびちゃんの体に、マサカの異変が起きたのです。
                      そして、さらにあらんことか、ママへと急ぐタクシーの中、私のヒザにシガミ付いていたちびちゃんの命がポロリ…落っこちてしまったのです…(涙)

                       

                      でも、ちびちゃんをママの手に渡したとき不思議なことが起こりました。
                      「クッ」
                      ちびちゃんの体から、小さな音が洩れたのです。
                      とても小さな音でしたが、ママもそれは、聞き逃しませんでした。

                       

                      「待っててくれたんやね…」
                      そう言ってママが、泣きました。
                      「やっとママのとこに戻れたね…」
                      そう言って私は、笑い泣きしました


                      | 1/6PAGES | >>